
【企業DATA】設立:1955年3月、資本金:4億円
本社:東京都中央区八丁堀2-11-2 URL:http://www.gohshoji.com/
建設機械用油圧ホース、バルブといった商品の販売では定評のある郷商事の建産機事業部では、業務改革プロジェクトにより基幹システムの再構築を進めてきた。
属人性の高かった営業体制を、情報システムによって見える化し、営業手順も標準的なものとすることで、営業の質をさらに向上させることを狙いとした。
当初、現場の営業担当者からは反発も多かったという基幹システムの再構築を、同社はどのようにやり遂げたのであろうか。

檜垣 仂氏
郷商事株式会社
代表取締役社長
東京都中央区八丁堀に本社を置く郷商事は1955年に設立し、「建産機事業部」、「電子機器事業部」、「電機事業部」という三つの事業を持つ。社名に商事がついていることからもわかるように、貿易など商社的事業も行っているものの、メーカー機能を持つ子会社を持ち、単なる販売にとどまらない付加価値の高い製品販売を行うことを特色としている。
檜垣仂社長は自社の特徴を、「社員がお客さまのことばを真面目に聞くところ、お客さま第一のところにあるのではないでしょうか」と分析する。
特に建設機械向けの油圧ホース、バルブといった油圧関連部品の分野では業界に名を知られた存在。ビジネスは建設機械のコマツを中心に行われ、建産機事業は郷商事の中では最も歴史ある分野でもある。
この建産機事業部で利用するシステム再構築の検討が始まったのは2004年のことだった。この時のことを同社のシステム構築に携わる経営システムセンタ 高橋健二ゼネラルマネージャーは次のように振り返る。
「実は1995年頃に、全社で利用するシステムの再構築を検討したことがあります。しかし、その時点ではシステム構築に関わる期間、コストがかかりすぎるということで断念せざるをえませんでした。その2年後にも、建産機事業部で利用しているシステムが、取扱商品数の拡大やハードウェアの耐久期間が迫っていたこともあり、建産機事業部のシステムだけを再構築しようということになりました。ところが、当初は外部パートナーの手を借りずに自社で作業を行う計画であったことから、思うように作業が進まず、挫折した経緯があります」
こうして先送りされていた建産機事業部の基幹システムの再構築だが、2001年頃になると当時利用していたシステムの問題点がさらに目立ってきた。そこで高橋マネージャーは経営会議で、システムが爆発する絵を描いて説明し、どうしても再構築が必要であることをアピールした。その結果、経営陣から、基幹システムの再構築を行うことのゴーサインが出た。
旧システムの古さといった問題のほかに、郷商事の経営陣は新たなシステムの必要性を感じ始めていた。その時の思いを当時副社長であった相澤朗子監査役は次のように振り返る。
「システム部門が提示した問題点のほかに、当社は仕事のやり方を変えるべき時期にきていると感じていました。我々が取り扱う建設機械用油圧ホースのような専門性の高い商品であっても、製品のコモディティ化という時代の変化が起こってきたからです。それまで行っていた属人性の高い仕事のやり方を変えて、お客さまのご要望に的確にお応えするために、インターネットを介して自動的に受注データを取り込めるようにするなど、社内の仕組みを効率化すると共に、筋肉質にすることが重要と考えました」
こうして2004年、建産機事業部の業務改革を含めた基幹システムの再構築がスタートすることとなった。