
【企業DATA】
設立:1955年(昭和30年)、資本金:75億78百万円
本社:愛知県日進市浅田町上納80番地 URL:http://www.maspro.co.jp/
国内4割と高いシェアを誇るアンテナメーカーのマスプロ電工。現在はアンテナ以外に、テレビ受信関連機器、CATV関連機器、衛星放送関連機器と全方位でテレビ周りの製品を提供している。従来はメインフレームとAS/400に分かれていた販売管理、物流管理といった業務システムをSystem iにサーバー統合した。その結果、迅速な物流、きめ細かな在庫管理を実現し、営業力強化に結びついた。端山佳誠社長は「システムも、社内の体制も"クイックレスポンス"とすることが目標。その体制の第一歩が実現できた」と話す。

端山 佳誠氏
代表取締役社長
営業本部長
マスプロ電工といえば、「見え過ぎちゃって困るの~」というセクシーなCMとともに、アンテナメーカーとして記憶されている方が多いだろう。実際、国内のアンテナ市場で4割のシェアを持っている。
「当社の特長はサービス力にあると考えています」と話すのは営業本部長を兼務する端山佳誠社長。
「創業当時であれば"技術力"が当社の特長です、と申し上げていたと思います。しかし、現在では技術力はあって当然。電波という目に見えない、一般のお客さまが簡単に設置できない商品群を快適に使っていただくための"サービス力"が当社の最大の特徴であり、強みだと考えています」
一口にアンテナの設置といっても、首都圏のように大きなビルが建ち並ぶ地域では、通常のアンテナだけではテレビ視聴ができず、ケーブルテレビの活用や共同アンテナの利用など、専門家のサポートが不可欠となる。こうした問題を解決するためのサービス力がマスプロ電工の大きな強みとなっている。
同社が営業力強化を目的に、販売管理システム、物流管理システムを新たに構築することを決定したのは2006年のことだった。
「20年前まで、当社の主要なお客さまは、町の電気屋さんにアンテナ及び関連機材を卸す問屋さんでした。現在では大手量販店が主要なお客さまになりました。問屋さん向けの商売は、大量に在庫を預け、足りなくなったら当社に発注をいただく、時間的に余裕があるスタイルでした。ところが、量販店さんはご自身では在庫は持たれません。必要な分だけを発注されるので、迅速に、少量の商品をお届けしなければならないのです」(端山社長)
実は4年前まで、マスプロ電工では営業担当者自ら、商品を顧客に届けていた。これは商品提供までに時間的余裕があったこと、届ける商品量が大量だったからこそ成立するスタイルだ。量販店が求める、必要な商品量を夕方に発注すれば翌朝には届けるというスタイルを実現するためには、営業担当者自身が商品を届けていてはとても間に合わない。ITによる在庫管理を実施し、物流は外部の業者を活用しなければ成立しない。
端山社長は「よく私は『うちの情報システムは他社に比べ、10年遅れている』とハッパをかけていました。大手家電量販店のお客さまの要求に応える体制を作るためには"クイックレスポンス"が不可欠となり、その実現には、もはや人間のパワーだけでは難しい。そこでコンピューターをもっと活用する必要があると考えたのです」と語る。ちなみに同社の2010年スローガンは"クイックレスポンス"。社員一人一人が意識して行動できるよう、各自の名刺にもQRコードを模して刷られている。
こうして同社は経営層の決断によるトップダウンで、在庫管理、販売管理、物流システムの見直しに着手したのである。