ホーム > グループ情報誌「Link」 > 特集 > モチベーション向上に不可欠な公平感の確立

青山学院大学教授
須田敏子
青山学院大学教授。青山学院大学経営学部卒業。日本能率協会マネジメントセンターで『人材教育』編集長などを歴任。1998年イギリス・リーズ大学でHRMの修士号取得(MA)、2004年イギリス・バース大学で博士号取得(PhD)。2005年より現職。専門は人材マネジメント。主な著書に『日本型賃金制度の行方:日英の比較で探る職務・人・市場』『HRMマスターコース』がある。
モチベーションとは"人が何かをしたいと思うこと"であり、仕事の場で考えると"人が仕事ということをしたいと思うこ"である。そのため、どんなに能力のある人であっても、モチベーションがまったくなければ、仕事のパ フォーマンスは上がらないのである。もっとも、パフォーマンスを上げなければローパフォーマーとして企業に残ることが難しくなる、あるいは降格・降給されるといった事態に直面する可能性があり、実際にはモチベーションがなくても仕事をしなくてはならない。この背後には給料をもらっているからには義務として仕事をしなければならないという現実がある。とはいえ、やはりモチベーションの有無はパフォーマンスに影響を与えるだろう。そのため、すべての企業においてモチベーション向上は重要な課題となっている。
もっとも現実にはどんなに能力があっても、あるいはモチベーションがあっても、景気が悪い、扱っている商品の競争力がない、など環境が悪ければパフォーマンスは向上しない場合がある。だが、モチベーション理論では環境を一定と捉える、という暗黙の条件下で、"モチベーション向上→パフォーマンス向上"という全体にたって、モチベーションを論じることが多い。