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企業活動のなかの漠然とした部分を、客観的に判断できる数値などの指標で把握しようとする取り組みを表す言葉であり、「可視化」「透明化」とも呼ばれます。IT(情報技術)の進歩により膨大な情報・データが手に入るようになったが、逆に本当に必要な情報が見えなくなったと感じる方も多いのではないでしょうか。もちろん「見える化」されただけで、現状の問題点を劇的に変革することはできません。現場の主体的な問題発見-解決のサイクルによってオペレーション遂行力を上げ、競争力のある企業として生き残るには地道な取り組みが必要です。
トヨタ自動車において改善を積み重ねて確立された生産管理システムであり、1980年代にはアメリカのMITでも研究され、世界中に広まりました。中心的な考え方は、問題を「見える化」させる"自働化"と各工程が必要なモノを必要なだけ生産する"ジャストインタイム"の2本柱であり、ムダ・ムラ・ムリを無くし高品質なクルマを最も短い時間で効率的に造ることを目的としています。前者ではアンドン(異常表示盤)、後者はカンバン方式などのツールにスポットが当たることが多いですが、創業当時より全生産部門で進化に向けて日夜改善努力が続けられていることが特筆すべき点だと考えられます。
アメリカ人の技師ハインリッヒ氏が労働災害5000件余を統計学的に分析、発見した労働災害における経験則のひとつ。重大事故を1とすると、その背後には29の「軽傷」を伴う事故があり、その影には「ヒヤリ・ハット」した傷害のない300の異常が存在するというもの。これ以外にも1000以上の不安全行動と不安全状態があり、これを無くすことで災害や傷害も無くせるとした。その後、鉄道や航空の事故防止や病院での医療事故防止など、いかに各個人の「ヒヤリ・ハット」の事例を公開、蓄積、共有し、重大事故を未然に防ぐかが研究されています。
5割近くの経営者の方が「見える化」の取り組みを行っている、または行う予定があるという結果になりました。問題やその兆候を顕在化させる仕組みがなければ、迅速な解決はできません。ただし半数以上の経営者が、取り組みも今後の予定もなしと回答し、「見える化」への対応の難しさも数字に表れています。
設問を逆に考えると、現状「見える化」が不十分な分野と捉えることもできます。お客さまのニーズや不満点を定量的に把握することは現在取り扱っている商品・サービスの改善、改良や、新たな開発をするためにも重要です。またお客さまにとって必要な情報が手に入るか、など双方向の「見える化」の視点も欠かせません。
「見える化」は一過性の施策ではなく、企業活動を支えるインフラ的な取り組みです。ただ、その定義や手法は企業の業種や規模、風土ごとに異なり、一定の基準が確立されている訳ではありません。推進する人材も重要ですが、現場の心理的な抵抗感を拭い、問題発見、解決に主体的に取り組む組織や職場環境を作るのはやはり経営層の役割ではないでしょうか。
※データは、編集部によるインターネット調査をもとに作成しています(調査機関:株式会社マクロミル)